こんにちは、原宿です。昔オモコロで描いた「おいなりさん」という漫画を久しぶりに描きました。こんな絵でも、中学の時は「マンガイラストクラブ」に所属していたんです。
甘辛いツユがよーく染みた、おいなりさ~~~ん!!!!
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「ほいーす。おいなりっす。みんなおいなり食べてる? ガリも残さず食べてる?」
「最近ね、おいなり物欲すごくて。昨日もビックロで買っちゃいましたわ」
「これ! “寿司PHONE”!」
「超いいすわー。今時コードレスじゃないってのが逆に、ね。味ですわな。最高~」
リリリリリリ……
「おや、さっそく着信。変やね、まだ誰にも番号教えてないんやけど……」
ガチャ
「はい、もしもしおいなり」
「………」
「もしもしー? どなたー?」
「……いな、ちゃん」
「………」
「いなちゃん?」
「なんやお前か、もう電話すんな言うたやろ。迷惑なんやって」
「だって……いなちゃん急に連絡とれなくなっちゃうし。番号も変わってて、私どうしたらいいかわかんなくて……」
「どうしたらって、だからずっと言うてるやん。お互いもう何の関係もないんやから……って、もうこの話何回目? 何億回目?」
「ごめん……」
「堂々めぐりやで、こんなん。なんべんおんなじこと繰り返すんよ。お互いもっと時間の使い方考えようや」
「でも、私そんな急に変われないよ。いなちゃんは勝手だよ」
「え? じゃあなに? おいなりだけが悪かったん? おいなりが全部悪者になればええの? そしたら満足してくれるん? せやんな? そういうことやねんな?」
「そうは言ってないけど……」
「いや、だったらええやんもう! 何の時間なんよこれ。こういうのが嫌やから電話したくないねん。こっちはもう話すことないねん」
「ごめん、ごめんね。でも今日はどうしてもいなちゃんに言わなきゃいけないことがあって……」
「なに? じゃあもうはよ言ってくれる? 前フリとかいらんからもう。録画した『世界まる見え』、はよ見たいねんこっちは」
「うん。実はね、私……」
「かんぴょう巻いちゃった」
「こないだかんぴょう検査したらね……………陽性で…………」
「だからいるんだよ? もう。私といなちゃんで巻いたかんぴょうが、ここにいるの………………」
「もしもし? もしもし……? いなちゃん………? いなちゃん!? おい! おいなり! 聞いてんのかテメェ! どうすんだよ! どおすんだよっ!!!!!」